脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの栽培を始めて、最初に植えたブルーベリーは今年で植え付け4年目(6年生)になります。
ブルーベリーの成木は7年生くらいからなので、現在はほぼ成木といっていいかもしれません。
今回は、植え付け4年目(6年生)の剪定方法について解説します。
なお、動画でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
●ブルーベリーの植え付け4年目(6年生)の若木の成木の剪定方法について、「初心者にもわかりやすく」、「具体的に」解説します。
ブルーベリーの剪定①主軸枝をチェック
主軸枝とはブルーベリーの樹の「幹」のこと
ブルーベリーは、いくつかの枝がブッシュ状に出ている樹形です。
品種によって、直立気味であったり、開き気味であったりと若干の違いはありますが、基本、この形です。
この幹のようにいくつか突き出た枝を主軸枝と呼びます。
植えつけたときは、1本だったのが、だんだんと成長すると増えていきます。
あまりに多いと枝が混みあっていまうので、
ハイブッシュ系品種で3~5本
ラビットアイ系品種で5~7本
に調整するのが一般的です。
樹勢(木の生命力)や年齢なども考慮しながら調整していく必要があります。
主軸枝の状態をチェック
具体的にみてみましょう。
写真は、植え付け4年目(6年生)のブルーベリーで、主軸枝は4本出てることがわかります。
(↑主軸枝は矢印の位置に4本出ています)
このブルーベリーはラビットアイ系品種で、5~7本が基準になってきます。
配置も極端に偏っていないので、このまま、主軸枝の数はいじらずに、剪定していくことにします。
このくらいの年齢だと3~4本が多いですが、極端に離れていたり、偏っていたり、細すぎる新しいシュートがある場合は、シュートを根本から切ってしまい、樹形を整えます。
ブルーベリーの剪定②不要な枝を剪定
次に不要な枝を剪定します。
不要な枝とは以下のような枝です。
- 枯れた枝(前年に実をつけた付近)
- 弱い枝(概ね5cm未満、つまようじくらいの細いもの)
- 横~下向きの枝
- 低い位置の枝(概ね50cm未満)
- 樹の中心に向かって内向きの枝
枯れた枝(前年に実をならした部分)
ブルーベリーは、以下のようなサイクルで実がなります。
実の付いた部分は枯れ込むので、それを剪定で切ってしまいます。
ラビットアイ系の場合は、樹勢が強いので、枯れたこの先からさらに枝が出る場合もあります。
こういう、細かい枯れ枝もとってしまいます。
はさみよりは、手でとってしまった方が効率がいいと思います。
弱い枝
長さ5cm未満(太さはつまようじくらいのものが多い)の弱い枝も切ってしまいます。
このような枝は、花芽がついていることが多いですが、実ができても、いい実にならないので、この段階で取ってしまいます。
細い場合はハサミをつかわなくとも、手で直接とることもできます。
横~下向きの枝・低い枝
ブルーベリーは基本的に樹形を立てた方が元気になります。
これは、植物ホルモンの影響で、ブルーベリーに限らず、植物全般に言えます。
このため、樹木の健全な生育のためと、収穫をしやくすくするため、ブルーベリーは基本的に斜め上か直立した形の樹形にしていくのが基本になります。
下や横を向いている枝は、樹形を乱し、収穫がしにくいため、切ってしまいます。
同様の理由で、低い位置(地面から50cm高くらいまでの高さ未満)の枝も切ってしまいます。
ただし、あまりにいい枝が、ねてしまっている状況であれば、支柱などに誘引して起こすのも一つの方法だと思います。
樹木の中心に向かって内向きの枝
樹木の中心に向かって内向きの枝は、光が内部に届かなくなるので、いい実ができず、収穫もしにくくなります。
あまり混みあった樹形は害虫の原因にもなってしまいます。
ただし、ブルーベリーは実がなると、枝が垂れてくるので、内側にあった枝も、枝が垂れると垂直から外向きになる場合もあります。
いい枝まで、機械的に全部切ってしまうのはもったいないので、実がなったときもイメージすることも大切です。
ブルーベリーの剪定③重なる枝を剪定
枝同士が重なってしまう場合も、日当たりがお互いに悪くなってしまうため、剪定で切る必要があります。
ただし、枝が若いうちは、柔らかく、けっこう動かすこともできるので、枝の配置を動かしてみるという方法もあります。
(↑あまりにも重なっていると、切る必要があるが、枝が柔らかい場合は動かせる場合もある)
ブルーベリーの剪定④花芽の整理は目的に応じて
これまでが、剪定のうち「枝の整理」でした。
剪定は「花芽の整理」を兼ねて行うことが多いです。
ハイブッシュ系品種で3~5芽
ラビットアイ系品種で5~7芽
とすることが基本で、品種や枝の成長具合でも調整します。
また、栽培の目的によっても取扱いがかわってきます。
上記の目安は基本的に大粒でなるべく規格をそろえるためのもので、出荷を想定されたものです。
摘み取り園のような形で、収量や収穫期間を優先したい場合は、必ずしもこれによるものではありません。
特に、ハイブッシュ系品種は花芽を減らさないと弱ってしまいますが、ラビットアイ系品種の場合は樹勢が強いので花芽を特に減らさなくても問題ありません。
そのため、ブルーベリーの森あづみのでは、枝整理だけ行い、花芽の整理は実施しないことにしています。
それでも、十分大粒のものが収穫できていると思います。
(↑昨年収穫したブルーベリー)
なお、この考え方は、ブルーベリーど根性栽培の提唱者である江澤貞雄さんの考え方を参考にさせていただいています。
(↑花芽。ブルーベリーの森あづみのでは基本的に花芽調整はしていません)
まとめ
剪定を何年かやってみて、たくさん実践しながら、やっていることの意味をよく考えることが大切だと感じています。
剪定の結果も実際に自分の目で確認できるのも、農業の醍醐味だと思います。
しかもブルーベリーは多少失敗しても、どんどん伸びてきてくれるので、ちょっと安心です(笑)
これからも、臆せずにどんどん手を動かしながら経験を積んでいきたいと思います。
ブルーベリーの栽培に関心のある方の少しでも参考になればうれしいです。
(参考文献)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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