脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
冬となり、ブルーベリーも落葉樹ですので、葉が落ちます。
うちの農園でメインに栽培しているラビットアイ系品種はハイブッシュ系よりも落葉しないことも多いですが、少しずつは落葉していきます。
それらをみながら、少しの油粕を散布したり、木材チップを補充したりしながら、有機物の循環について考えてみました。
落ち葉や枝は基本的にそのまま土へ・・・
落ち葉や風で折れた枝、剪定の枝は基本的に、そのまま土へ還します。
自然界ではごく当たり前のことだと思いますので、それに倣っています。
ブルーベリーの体を作っていたものなので、微生物も含め必要なものが含まれています。
その場で発生した有機物はむしろ土に還していくことは必要なことではないでしょうか。
病害虫の温床になる・・・という意見もありそうですが、
病虫害は原因となる虫や菌がいるからではなく、それを食べる天敵が少なかったり、植物自体が弱っていることなど、全体がバランスを崩している時に発生するため、
そのような理由で有機物を排除するのはもったいないと考えています。
また、私が以前、農業法人で働いていた頃、くる日もくる日も、ブロワーで石油エネルギーを使って、落ち葉を掃除していたことがありました。
そこは防草シートを敷いて、ポット栽培をやっていたので、落ち葉を掃除する必要があったのかもしれませんが、「一体自分は何をやっているんだろうか?」といつも感じていました。
有機物は人工物と重なることで邪魔者になる?
それでは、なぜ落ち葉などの身近な有機物は邪魔者になるのでしょうか。
これは私がずっと考えていたテーマでもあるのですが、基本的には「人工物と有機物が重なったとき」に有機物は「邪魔なもの」になります。
例えば、
山林+落ち葉⇒土壌を育む
となりますが・・・
(↑山の落ち葉)
舗装道路+落ちた落ち葉⇒掃除
となります。
(↑道路の落ち葉)
厳密にいうと人工物だけでなく、家の庭とか畑など、人間の立場に立って、何らかの「役割」を土地に与えた場合にもそのような現象が起こりますが、とくに人工物と有機物が空間的に重なったときにとても顕著になります。
主に人間だけに役に立つ空間という不自然な空間を維持するためには、掃除などの労力やエネルギーが必要となります。
身近な有機物を活かしたブルーベリー栽培
ブルーベリーの森あづみのでは、有機物の利用として以下のことなどに取り組んでいます。
- 草生栽培で雑草などを大切にしている
- 近隣から木材チップをマルチングに利用している
- 刈り払った草でマルチングをしている
- 落葉や剪定枝などはそのまま土へ還す
- 柵やブドウ棚、支柱などには近隣の竹材などを利用している
取り組んでいる「ど根性栽培」がブルーベリーの潜在能力を発揮させ、自然の力を活かす農法であることもありますが、
自然の力やその循環を活かすために、身近な有機物を活用していくことが大切だと考えているためす。
(↑落葉などはそのまま土へ還る)
(↑枯れた雑草は、マルチングになり、乾燥や寒さからブルーベリーを守る)
(↑木材チップを敷設したところ、乾燥防止のほか、菌根菌などの活動も活発化する)
自然のサイクルに沿った活動をしていきたい
自然物に何かの目的を持たせた時点で、完全に自然のサイクルに入るのは少し難しいかもしれません。
しかし、近づけることはできるはずです。
栽培という行為は人為的ではありますが、自然のサイクルに近づけるやり方は考え続けていきたい。
そして、それが、栽培だけではなく、リラックスしてここちよい空間も作り出し、観光農園としての魅力にもなってくると考えています。
(↑ブドウ棚の日陰を活かしたレストスペース。骨組み以外の格子部分は竹を利用している)
太陽エネルギーから絶え間なく発生してくれる有機物を無理なく活かしながらの栽培や観光農園の運営は、そのような可能性を秘めているのではないでしょうか。
(↑山道。道は人工物だが、舗装されていない歩道のため、自然物と人工物の中間のような感じになっている。)
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