資源不足により強く感じた「資材を使わない栽培」のメリット

昨今、中東情勢や世界的なインフレなどの影響で、肥料・燃料・農業資材の高騰が続いています。

農業は、もともと自然の影響を受けやすい仕事ですが、近年は「世界情勢」の影響まで、強く受けるようになってきました。

そんな中、私は最近、改めて強く感じていることがあります。

それは、

「なるべく資材を使わない栽培には、大きな強みがある」

ということです。

目次

私のブルーベリー栽培は、ほとんど資材を使わない

私はブルーベリー栽培において、植え付け時に少量の菜種油かす、硫黄粉、木材チップなどを使います。

しかし、その後は、圃場内で刈った草をマルチングしながら栽培を続けています。

今風に言えば、「自然栽培」に近いと言えるのかもしれません。

ただ、「自然栽培」という言葉には、法制度上、明確な定義がありません。

そのため、商品やサービスの説明としては、基本的に公的に証明可能な「有機栽培」と表現しています。

ちなみに、私は「有機栽培」という言葉の本質は、単に有機物や有機肥料を使うことではなく、

「機(自然のしくみ、法則)が有る」

という考え方にあると解釈しています。

つまり、自然の働きを活かす栽培です。

その意味では、有機栽培と自然栽培は、基本的に同義だと捉えています。

本当に大切にしているのは「使わないこと」ではない

ただ、誤解してほしくないのは、

「資材を使わないこと」

そのものを目的にしているわけではありません。

私が本当に大切にしているのは、

・ブルーベリーと共生する菌類
・土壌生物
・昆虫
・草
・周囲の自然環境

とのつながりです。

ブルーベリーは、共生菌との関係が非常に深い作物です。

そのため、自然との関係性を壊しすぎない栽培との相性が、とても良いように感じています。

もちろん、毎年簡単というわけではありません。

自然相手なので、観察も必要ですし、失敗もあります。

しかし、現在では、成木に関しては、ほぼ資材を使わなくても、経済栽培レベルで安定した収穫ができています。

そして何よりありがたいのが、ECサイトで全国のお客様から非常に高い評価をいただけていることです。

これは、単純に「有機栽培だから」ではなく、

土壌や微生物、生き物との関係性を大切にしながら育った結果として、味に反映されている部分もあるのではないかと感じています。

資源高騰の影響を、ほとんど受けていない

最近は、肥料価格や燃料価格の高騰で、大きな影響を受けている農家さんも少なくありません。

しかし、ありがたいことに、私の農園は、その影響が比較的小さいです。

もちろん、乗用モアなどでガソリンを使うことはあります。

ただ、もともと私は、

「必要以上に草を敵視しない」

という考え方で管理しています。

特に草の勢いが強い6〜9月(特に6〜7月)は、草の状態も観察しながら、必要最小限の草刈りをしています。

また、手動の大鎌なども積極的に使っています。

そのため、年間の燃料費も、2〜3万円程度です。

多少の価格上昇であれば、大きく経営が揺らぐことはありません。

これは単なる節約ではなく、

「外部資源への依存度を下げている」

ということなのだと思います。

自然を完全に再現することはできない

もちろん、農業は人為的な行為です。

農地は人工物ですし、ブルーベリーばかり植わっている自然環境など、本来存在しません。

だから、「自然」という言葉を使うのは、少しおこがましい気持ちもあります。

それでも、

なるべくその場にあるものを使い、
自然をよく観察し、
自然の力をお借りしながら栽培する。

その積み重ねが、結果的に、

「何かに振り回されにくい農業」

につながっているように感じています。

もしかすると、効率だけを追えば、遠回りなのかもしれません。

しかし最近、その積み重ねの効果が、あまりにもダイレクトに表れており、自分でも少し驚いています。

新規就農・起業を考えている方へ

新規就農や起業を考える時、多くの方が、

「何を導入するか」
「どんな資材を使うか」
「どんな設備を整えるか」

に意識が向きやすいように感じます。

もちろん、それらも重要です。

しかし、近年の資材高騰や世界情勢の変化を見ていると、

「何に依存しない経営を作るか」

という視点は、これからますます重要になるのではないかと思っています。

特に農業は、自然・資源・物流・エネルギーなど、多くの外部要因の影響を受ける仕事です。

だからこそ、

・地域にある資源を活かす
・自然を観察する
・過剰にコントロールしすぎない
・長く続けられる形を作る

という考え方には、大きな価値があると感じています。

私自身、まだまだ試行錯誤の途中ですが、

「なるべく外部環境に振り回されず、持続可能な農業経営を作るにはどうすれば良いか」

というテーマについては、現場で実践を重ねてきました。

もし、

・これから新規就農を考えている方
・小規模でも持続可能な農業を目指したい方
・自然と共生する栽培に興味がある方
・資材価格高騰に悩んでいる方

などがいらっしゃいましたら、コンサル・ご相談なども承っています。

現場ベースで、リアルなお話ができればと思っています。

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この記事を書いた人

脱サラ元公務員。
13年働いた県庁を辞めて、農業法人を経て独立。
ブルーベリー農園を経営しています。

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