脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
実は、農業を始める前、構想の段階から、私は完全に「ミニマム農業主義」でした。
経営が成り立つ範囲であれば、小さければ小さいほどいい、常に「最小限」がいいと考えています。
おそらく、人によって自分がここちいい範囲の規模というものがあると思います。
今回は、農業での「ミニマム主義」というテーマで書いてみました。
「ミニマム主義」の農業になったきっかけ
私が「ミニマム主義」の農業スタイルになったきっかけは、
農業をはじめるきっかけになった本「農で起業する」(杉山経昌、築地書館)の著者である杉山経昌さんの影響が大きいように思います。
杉山経昌さんは、外資系企業で働いていたバリバリのサラリーマンでしたが、脱サラし大分県で50代で新規就農したブドウなどを栽培されている農家さんです。
サラリーマン時代の経験を活かして、経営管理や栽培管理を行う手法がとても勉強になりました。
それ以上に、規模が小さくても効率の良く、ゆとりのある作業、経営スタイル、人設計にとても共感したことを覚えています。
そういう方法もあるのか、そういう人もいるのか、ということが静かな感動でした。
それから、自分が好んで手に取った本などが、なんとなく、小さくてもも強いをテーマにしたものが多くなっていたようにも思います。
(↓当時、こんな感じの本を多く読んでいました)
起業や農業で、大規模で、大きく・・・というスタイルはあまりむいていないと思ってました。
自分のペースで無理なくできる方が好みなので、自分が最も楽しめるように、「小さく、小さく」という方向性になっていきました。
確実に管理できる規模を効率的に管理する
うちの農園で常時農作業をしているのは、基本的に私だけなので、労働力が限られてきます。
そのため、確実にできる規模の見極めと効率的な利用が大切になります。
営農規模は、単純に「面積」だけの問題ではなく、作物の種類や管理方法によってもかわってきます。
私は耕作地約90aのほとんどが、ブルーベリーやヘーゼルナッツなどの木本の多年植物です。
草生栽培で、下草を生やしながら栽培する方法です。
草刈りは必要になりますが、乗用草刈り機を用いることで、面的な草刈りは省力かつすごいスピードで行うことができます。
農地のレイアウトも、乗用草刈り機が効率的に旋回できるように、外周などはやや余裕をもって配置しています。
また、無農薬栽培なので、農薬散布にかかわる労働力はかかりません。
害虫なども特に問題になっていないため、無農薬だからといって、害虫などの防除に労力がかかることはありません。
そのため、一人のわりには、比較的広い面積があまり無理なく管理できていると思います。
経営の規模としては、概ねちょうどよいように思っています。
一方、畦、ハーブ園や野菜畑などの細かい場所の方が、除草などの労力がかかることが多く、
時期により、このあたりがやや労力のボトルネックになる場合があります。
ハーブや野菜は、大規模でなくても、私の場合の必要量はまかなえると思うので、
ハーブ園と野菜畑は極端に増やすことをせずに、効率的な管理ができるようにすることが課題だと思っています。
農業機械もミニマムに
農業機械についても「最小限」を貫いています。
稼働率の低い機械は、必要な時だけレンタルし、自分では所有しないことにしています。
農業機械は一般的に高価であり、壊れることも多いので、所有してメンテナンスをしっかりしていくには、費用も労力もかかります。
所有しているもので、機械と呼べるようなものは、「乗用草刈り機」「刈払い機」「管理機(2馬力くらいの小型)」のみです。
ヤフーオークションで中古で買った、乗用草刈り機と管理機は、もともとかなり古いものでしたが、
4年~5年たった今も元気に稼働しています。
中古機械を選んだのは、農業をやめる人が多いため、よい状態の機械も必ず、数が余りがちになっていくと考えたためです。
将来的にはもっとその流れが加速すると思います。
そのため、刈払い機など、消耗の激しい機械を除き、私が新品の農機具を買うことは今後もほとんどないと思います。
実は、軽トラすら持っていません。
日常的には資材や収穫物を大量に運搬することが少ないためです。
必要なときは、近くのレンタカーで6時間3,000円(12時間だと5,000円)でレンタルします。
観光農園の運営のためのキッチンカーは持っていますが、
車一台所有すると、車検と任意保険だけでも年間10万円以上かかるため、最小限にしています。
「農家なんだか〇〇(機械名)くらい持ってないと恥ずかしい。」という人もたまにいます。
それも一つの価値観ですが、私の場合はどちらかというと、プライドよりも実をとるタイプです。
必要最低限の機械のみに限定することで、イニシャルコストもランニングコストも両方削減することにもつながると考えています。
まとめ
それぞれのメリットやデメリットがあるので、経営規模は「大規模」でも「小規模」でも、どっちでもいいと思います。
共販出荷なのか、直売なのか、観光農園なのかなど、ビジネスモデルによっても、必要な収量はかわってきますので、自分がどういう形が好みなのかというのが一番大切です。
「〇〇でなければならない」という常識(?)は工夫次第で、いくらでも覆すことができるのではないかと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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