※この記事は2019年に書かれており、2022年10月に更新しています。
脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
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ブルーベリーの森あづみのでは、ブルーベリーの栽培方法として「ブルーベリーど根性栽培」を採用しています。
今回は、私が取り組んだ栽培方法についてもう少し詳しく書きたいと思います。
ブルーベリー「ど根性栽培」の実際
ブルーベリーの潜在能力を発揮させる
私が実践した「ど根性栽培」は、千葉県木更津市の「エザワフルーツランド」の江澤貞雄氏が提唱する、栽培方法です。
まだ栽培を始める前、お話を伺いに千葉県まで行き、農園も見学させて頂きました。
江澤貞夫氏は、ブルーベリーのこれまでの常識と考えられていた栽培方法を見直して、植物本来の能力を最大限に発揮し、根をしっかりと張らせる「ど根性栽培」と称した、独自の栽培方法を提唱しています。
(従来のブルーベリー栽培の定説)
- 植え床にピートモス※1を多量に使用し土壌酸度(PH)の調整と排水性を対策する
- 頻繁な潅水(特に夏場)
- ノーザンハイブッシュ系品種中心の栽培
- 化学肥料で苗木の成長を促進
(ど根性栽培)
- 植え床にピートモスを使用しない※2
- 基本的に潅水をしない。※3
- ラビット・アイ系品種の積極的利用
- 肥料は少量の油粕のみ、苗木は剪定で成長を促す。
※ミズゴケ類などの植物が堆積し、腐植化した泥炭を脱水、粉砕したもの。土壌改良材として用いられる。
※2ノーザンハイブッシュでは少量使用する。
※3株元の乾燥対策は、木材チップなどの有機物でマルチングすることを徹底し、乾燥を防止する。
ど根性栽培はブルーベリー協会のホームページでも紹介されています。
ど根性栽培の植え付けの実際
草などを除去し植穴を掘る
植える箇所周辺の草を除去します。
この場所はオーチャードグラスという多年生の牧草が生えており、厚さ1~2cmくらいの根の層が面的に張っていました。
乾燥防止にもなりそうですが、苗周辺だけは表面の根などを除去しました。
草刈りはしましたが、トラクターなどによる耕起はしていません。
植穴を掘ります。
従来の農法のようにピートモスなどを入れて植床を作らないので、12cmポットの大きさだけ、林業用の鍬で掘ります。
穴の中の根なども取り除きます。
植える
植えつけて、しっかりと鎮圧します。
硫黄粉を散布
硫黄粉、水分を含むと硫酸になるので、汗をかいた肌などに触れると、炎症をおこしたりします。
少量ですが、風向きなどには注意して散布しました。
硫黄粉はホームセンターなどではあまり売っていませんが、日本ブルーベリー協会から購入することができます。
(製品名:土壌改革)
PH調整とイノシシよけのための硫黄粉を散布します。
1株あたり、お椀半分(約100g)程度です。
この場所は、PHが6.0を少し切るくらいだったので、Ph4.5前後になるよう想定し、施用しました。
ラビットアイ系の品種の場合、Ph4.3~5.3程度と言われていますが、実際には5.5~6.0くらいでも問題なく育つようです。
なお、ど根性栽培ですと通常はこの後、油粕お椀1杯を散布しますが、
江澤氏から助言を頂き、今回は、植える時期が少し遅いことを考慮し、油粕の散布を行わないこととしました。
木材チップの敷設
乾燥を防止する有機マルチとするため、ペール缶4杯分(20L×4=80L)の木材チップを敷設します。
平坦に均すと、ほぼ10cm程度の厚さになります。
刈り取った牧草が結構あったので、さらに草マルチにして足しました。
(これは私のオリジナル)
こんな作業を330本ほど繰り返しました。
植える作業よりもチップをペール缶につめて運搬する作業に時間がかかった印象でした。
日中暑くなるので、早朝4時半くらいから作業をスタートしたりと、時間帯などを工夫して対処しました。
耕さないし、土壌改良や施肥などもほとんどしない。
道具も基本、クワしか使わないので、
林業の自拵え(植栽のための草木の除去や整地)→植栽
みたいな感じがしました。
(私は元、林業の技術屋です。)
初年度の植え付けは、梅雨入り前の暑い時期で、真夏日に迫る気温になる日もありましたが、苗たちは暑さに耐えて元気に育ちました。
これからもますます楽しみです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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