脱サラ元地方公務員、ブルーベリー農園経営者。神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz))です。
農業を目指した理由、脱サラの経緯、農園のコンセプトなどは、下記のプロフィールページ又をご覧頂けるとうれしいです。
確定申告のために経理のデータを見直していた際に、「農業を始めました。」と話すと「初期投資がすごくかかるでしょ~」と言われることが多いことを思い出しました。
今回は、ブルーベリー栽培を始めたときの「初期投資」について書いてみました。
栽培作物や栽培方法により初期投資はかなり異なる
自治体などが提供している新規就農者向けの情報をみると、初期投資についてよく記載されています。
私も新規就農するまでは、自治体の情報や新規就農者むけの本などで情報収集していました。
路地野菜の場合、施設野菜の場合、果樹の場合、畜産の場合などの初期費用などの数値が書かれています。
数百万円から数千万まで、様々ですが、とにかく「すごいお金かかる。」ということを感じますし、そういうことを感じさせるつくりになっているように思います。
実際には作る作物や栽培方法により相当異なるのですが、様々のものをまとめた「平均値」が使われています。
ブルーベリー栽培の初期投資
ど根性栽培は初期費用が少ない
私が採用しているのは、千葉県木更津市のエザワフルーツランドの江澤貞雄さんの提唱しているブルーベリーの「ど根性栽培」です。
過去記事でも多く触れていますが、ブルーベリーの「ど根性栽培」は、ブルーベリーの持っている力を発揮させる栽培方法です。
日本ブルーベリー協会のホームページや「ブルーベリーをつくりこなす(江澤貞雄著、農文協)」という書籍で紹介されています。
土壌適応性の広い、ラビット・アイ系の品種がメインとなりますが、重要なポイントは以下のとおりです。
2土壌改良材は使わない(そのまま植える)※1。
3幼木は、強い剪定で成長させる。
※1土壌適応性の低いハイブッシュ系の品種はピートモスを少量(1株あたり40L)使用する。
私の畑は水はけがいいので、排水対策には費用がかかっていません。
またピートモスを大量に使用する栽培方法ではなく、水やりのための設備は不要なので
基本的には苗木代、肥料代、木材チップ代、機械代(草刈り機)のみです。
そのため初期費用は比較的少ない栽培です。
具体的にかかった費用
具体的な費用は以下のとおりです。
20a、ラビットアイ系ブルーベリー340本で、初期費用は約80万円ほどでした。
厳密に言えば、会計上は、苗木と乗用草刈機は固定資産になるので、耐用年数で割った金額が、当年の費用になりますが、わかりにくいので、ここでは実際に最初に支払った費用としました。
〇ブルーベリー栽培にかかった初期費用
(前提条件)
・ラビットアイ系ブルーベリーのど根性栽培
・水はけがよく、排水処理が不要な農地(黒ボク土、緩斜面)
・条間2m列間3m(170本/10a)
費目 | 規格 | 費用(万円) | 備考 |
苗木 | ラビットアイ340本 | 41 | エザワフルーツランド ※1 |
機械1 | 乗用草刈機(中古) | 21 | ヤフーオークション |
機械2 | 肩掛式草刈機(付属品込み) | 4 | |
肥料 | 硫黄粉となたね油かす | 3 | |
木材チップ | 約28m3、運搬車両費込み | 7 | |
その他資材 | 消耗品(クワ、支柱その他) | 2 | |
合計 | 78 |
※1 品種構成や購入本数により若干変動する。
機械らしい機械と言えば、乗用草刈り機くらいです。ヤフーオークションで落札しました。近隣の出品者だったので、自分で取りにいきました。
乗用でなくても、手押しの草刈り機でも大丈夫かもしれません。その場合はもっと安くなります。
肩掛式は、境界付近や土手の部分など細かいところに使いました。
木材チップなどのマルチング資材の入手先や運搬方法を見直すことで、もう少し削減できるかもしれません。現在、もう少し安いところがないかを知人などに確認中です。
運搬に2日ほどかかり、最初は2tダンプを普通にレンタルしていましたが、近所の農業委員さんに2tダンプを借りることができたので、2日目は安くすみました。
また、後ほど、硫黄粉は日本ブルーベリー協会よりも、ヤフーショッピングで購入した方が安いことに気が付きました。
西濃運輸の運搬拠点に取りにいかなくてもいい上に、キャッシュバックを含めれば、一袋あたり1000円ほどお得になりました。
なたね油粕は普通にホームセンターで売っているものを使いました。
まとめ
栽培方法や設備投資にかかわる考え方は人それぞれなので、ここでは費用が高いのか安いのか、コスパがいいのかといったことには言及しません。
しかし、私が当初計画していた費用よりはかなり安くすみ、かつ、自身のやりたい方向性の栽培を始めることができました。
今回は栽培のみにかかった初期費用であり、これから、観光農園に必要なものを準備していくので、その費用は別途かかりますが、当初予定していた小屋をやめて、キッチンカーになったりと、こちらも全体的に安くなる方向になってきています。
一般的なブルーベリー観光農園は、ハイブッシュ系のみ、あるいはラビットアイ系を組み合わせて、1000~1500本くらい栽培しているケースが多いようです。
私の場合は、ラビットアイ系に絞って栽培しています。
ラビットアイ系の品種は、樹が比較的大きくなるので面積あたりの植栽本数も少なく収量は多めになるため、今のところブルーベリーは最大でも600本くらいで考えています。
少しずつ拡大も検討するとともに、最小限の規模を探ることも考えていきたいと思っています。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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