脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
本日もカモミールの最後の植え付けでしたが、ブルーベリーの下草に目がいってしまい、
作業がなかなか進みませんでした(笑)。
栽培を初めて5年のうちに、かなり下草の種類に変化がありました。
植生の変化=土壌の変化といってもいいと思います。
特に、秋から春の草には特徴が出やすいので、現在の様子を紹介します。
一面に広がるハコベ
全体的に目立つのが「ハコベ」です。
2年くらい前までは、この時期は、クローバーが優占していました。
ハコベは、肥えた軟らかい土壌に生えてくる雑草です。
耕して化学肥料をやっている畑も、肥料で富栄養化して土が軟らかく耕されているため、多く見られます。
昨年までは、圃場の北側部分に多く分布していたハコベが今は、ほぼ全体的に増えてきています。
昨年も、今年もこの圃場は肥料やっていないので、刈草や雑草の根の働きなどで土壌が肥えてきたのではないかと思います。
実は、野菜づくりでも、肥料を施さないでハコベが生えてきたら、「土壌づくり成功!」と思うくらい嬉しい雑草です。
オオイヌノフグリも広がる
ハコベと並んで、土が肥えてくると増えるのがオオイヌノフグリです。
野菜畑でも何年か不耕作をしていると無肥料でも増えてきます。
2~3年前くらいから増えてきましたが、今は、圃場全体に広がっています。
少しでも暖かいと、花を咲かせるので、いわゆる「小春日和」には意外と咲いていることも多いです。
競争には弱いため、暖かくなって、他の雑草が増えてくると、早々に姿を消してしまいます。
早春の青い彩りを与えてくれます。
ホトケノザもみられる
まだ、あまり目立ちませんが「ホトケノザ」もハコベやオオイヌノフグリに混じって生えています。
ホトケノザも肥沃な土壌を好みます。
もう少し暖かくなるとヒメオドリコソウも多くみられるようになり、赤い花は、華やかな色どりを与えてくれるだけではく、昆虫の大切な蜜源になります。
やせ地系の草が減っていった
栽培をはじめた当初によくみられた
「白クローバー」「ギシギシ」「カラスノエンドウ」「ヨモギ」「セイタカアワダチソウ」「ヒメジオン」は、減少傾向です。
特にギシギシは、よくみないとみかけないなり、少し寂しいです。
ギシギシは、いろいろな昆虫がエサにするため、見ていて楽しいからです。
クローバーやカラスノエンドウなどは、やせ地で根粒菌と共生して、土を肥やしますが、安定して土が肥えてくると、むしろ住みにくくなるのかもしれません。
野草にはそれぞれ役割があります。
ざっくり一例をあげると以下のとおりです。
イネ科・・・根を深く張り、通気性、排水性の改善、炭素分の供給
マメ科・・・根粒菌との共生で窒素分の供給
アブラナ科・・・根酸が多く、土壌のミネラル分を溶かし、土壌へ供給
キク科・・・防虫
ネギ科・・・殺菌
さらに、それぞれの土のステージで役割があるため、植生は絶えず変化していきます。
まさに実感しているところです。
ほかの森「圃場」の下草
私は、畑を「いろはに・・・・」で名前をつけています。
森林管理ではわりと一般的な名称ですが、畑では変な名前かもしれません(笑)。
ちなみに、前述でみてきたのは、一番最初に栽培を初めて、現在主に収穫しているのは「い」の森です。
ほかの「森」の下草の様子を紹介します。
「は」の森
成長の速度はそこそこの圃場です。
昨年まではカラスノエンドウが多かったのですが、今年から急にハコベが多くなりました。
成長も最近は安定してきた印象です。
来年から収穫も少しできそうな感じです。
「ろ」の森
「は」の森より、少し遅い印象ですが、そこそこの成長具合です。
まだ、下草はクローバーやヒメジオンなど、やせ地系の雑草が優占しています。
「に」の森
全体の中では、一番成長が遅い「に」の森。
もともと、頻繁に耕起されており、私が見た感じでも、有機物が消耗しているように見られました。
最初から、一番苦戦しそうだなあ・・・とは思っていました。
実際、初期成長も遅く、心配でした。
しかし、最近になりよいシュートがでるようになりました。
下草は、最初はイネ科草本のみでしたが、そのうちカラスノエンドウなど瘦せ地系の草が覆うようになりました。
少しずつ、ブルーベリーも適応し、土壌も肥えてきている印象です。
耕さない圃場ほど成長がいい
大きく4つの森(圃場)を栽培していると、時期の違いもありますが、成長速度にも特徴があるような気がします。
最も成長がよいのが「い」の森。
一番最初に栽培を始めた場所で、前作は牧草地でした。
牧草地には珍しく、家畜の糞尿は投入されていなかったのですが、耕さず、刈草の残りなどの堆積が多かったのかもしれません。
私が管理するようになり、刈草も持ち出されなくなったので、さらに刈草などの有機物が堆積するようになりました。
それ以外の育成中の圃場は、最も成長がよいのは、草刈りだけをしていた「は」の森でした。
耕起を頻繁にしていた「に」の森は一番出遅れていますが、最近よくなってきました。
いずれ、適応したり、土壌自体が機能を修復してくれるのかもしれません。
当然ながら、初期成長は、植えつける前の圃場の使い方にも影響を受けます。
私の栽培方法(ど根性栽培)の場合は、
植えつける畑は、なるべくなら、草刈りだけしていたなど、植物が常に生えていて、土壌をいじっていない土地が望ましいのではないかと思っています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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