脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
農業の話をしていると「〇〇の資材がいいらしいよ。」という話題になることが多いと感じます。
しかしながら、私のやっていることは逆に「何をやらないか」を追求しているような気がします。
「引き算」の農業について書いてみました。
足し算の農業は疲れる・・・
最初の頃、農業を仕事にする前ですが、野菜などを作っていました。
無農薬で栽培していますが、普通に有機肥料をやって、「海の物がいいらしい」とか聞けばそれが気になってきたり、
「害虫には〇〇(←代替農薬のような資材)が効く」と聞けばそれが気になったり・・・
慣行栽培であっても有機栽培であっても、肥料や農業資材を「足してコントロールする」という発想には、際限がなく、疲れると感じていました。
手を加えなくてもよい
(↑ど根性栽培で植え付けた初年度)
そのうち、一般的には「自然農」や「自然農法」、「自然栽培」と呼ばれる方法に近づいていきました。
うまくいかないこともありますが、土質や品種、良苗、適期など、条件がピタッとはまった時には本当に「何もしなくてもいいのではないか」というくらいのポテンシャルを発揮することがあることに気が付きました。
ただし、誰でも、何処でも、いつでも・・・という方法ではないのかもしれません。
土の状態や作物の健康状態、農作業の時期などに大きく左右されるためです。
ブルーベリーは「ど根性栽培」という、特にラビットアイ系品種で、過度に人間の関与をしないことで、環境に適応させる栽培方法で育てています。
水はやらない、土壌改良材を使わない、肥料で大きくしないといった、まさに「引き算」の農業です。
「ど根性栽培」の師匠であるエザワフルーツランドの江澤貞雄さんからよくアドバイスいただくのが、「私の言う通りにやってください。言う通りというのは・・『何もしないこと』だよ。」ということです。
・・・と、正直最初の頃は目が点になるようなアドバイスでしたが、実際今のブルーベリーたちを見てみると元気に育ち、少々の暑さや干ばつでもびくともしない、ブルーベリーに育っています。
『何もしない』というのは、「適した環境で信じて待つ」こと。
ブルーベリーに適した水はけのよい土地を選び、適応性の強い品種を選び、肥料や農業資材を過度に投入するなどよけないことをしない・・・
という意味なのではないかと、少しずつわかってきたような気がします。
しかし、何故か「ブルーベリーは水をやらなければだめだよ・・・とか」「消毒や土壌改良材や肥料が必須」だと言われることがあります。
私は、基本的に他人の農業に限らずやり方を否定するのはタブーだと考えていますが、中には何故か絡んでくる人もいます(←正直、私にはよく理解ができません)。
その時は、ぜひ成長をご覧になってください。実を実際に召し上がってください。
と言っています。
農業者にとって、それ以上の根拠はないと思うからです。
(↑現在のブルーベリー。環境に適応し、大きく育っています。)
「引き算」の農業の魅力
「引き算の農業」は作物と土質などの環境のチョイスを一生懸命やったら、最低限の管理で「信じて待つ」。
「足し算」の農業と違い、あまりコントロールしていないので何となく不安になることもあります。
しかし、作物のポテンシャルが流れるように発揮されている光景を見ると、とても魅力的に思います。
個人の好みはあると思いますし、ビジネスモデルによってももちろん考え方は変わってくると思いますが、なるべく私はこの方個性で進んでいければと考えています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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