脱サラした元地方公務員、現在はブルーベリーをメインとし果樹や野菜の栽培&エンターテイメントを仕事にしています。神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz))です。
私がとりくんでいるブルーベリーの栽培方法は、千葉県木更津市のエザワフルーツランドの江澤貞雄氏が提唱している「ど根性栽培」という栽培方法です。
ピートモスを使わない。植床を作らない。灌水をしない・・・など、一般的に行われることの多い、セオリーを一切やらない農法です。
人間が過干渉しないことで、ブルーベリーのもつ潜在能力が発揮され、自立した生育をすることにより、病害虫にも強く、多くの収量を得ることもできます。
また、その後の栽培管理も含め省力化が図れます。
ど根性栽培を実施し、2年目、約1年半ほど経過したため、生育状況などについて書いてみたいと思います。
水やり不要な植物へと育つ
畑のブルーベリーには、植え付け時も含めて、一切の水やりをしていません。
木材チップを10~15cmほどの厚さでマルチングして保湿しただけです。
一般的にブルーベリーは「水やりが大切」とどの本にも書いてありますので、完全にセオリー無視です。
根が浅く乾燥に弱いというのが根拠のようですが、特にラビットアイ系品種は乾燥に弱いということはないと思います。
「水を好む」という表現も、厳密には間違いのように思います。どちらかというと水はけが悪い場合の加湿の方が弱いです。
このため、水はけにもこだわって農地を選びました。
水はけが良い火山灰土由来の黒ボク土、2~3%の緩い傾斜。前作は牧草(イネ科植物の根で水はけがさらによくなっている)という理想的な土地を貸していただくことができました。
1年目(2019年)は、数株葉が枯れあがって葉を落とすものもありましたがすぐに新しい芽が伸びました。
2年目(2020年)も、わずかに同様の現象が見られましたが、一年目よりかなり減りました。やはり再生しました。
いずれも全体の2%程度以下で、完全に枯れたものはありませんでした。
とくに2020年の8月は、猛烈な暑さに加え、雨が降ったのが3日ほどで、降雨量も例年の半分以下でした。
この暑さもものともせず、水やり不要な状態になったと言えると思います。
これは、水やりの労力や設備投資が不要なことを考えると、今後に大きく影響すると思います。
堅実に成長
一年目の冬までは、地上部はそれほど大きく成長はしませんでした。
江澤さんに写真などを見て頂いたときは、「問題ない。自信をもっていいですよ。」と言っていただけたので、安心をしました。
江澤さんの著書「ブルーベリーをつくりこなす」にも「一年目は枯れなければいいくらいのつもりで育てる」と記述があります。
地上部よりも根をしっかりと張らせることを目的としているためだと思います。
2年目は、樹によって少しばらつきはありますが、かなりがっちりとした幹になり、枝数も増えました。
ものすごく速いわけではないのかもしれませんが、堅実な生育をみせています。
実が美味しかった!
2年目は、収穫をする計画ではないため、剪定の段階で花芽を落として結実しないようにしています。
しかし、結実時期などを観察するため、花芽を僅かに残しました。
その実が完熟したのを食べて、「美味しい~」とおわず叫んでしまいました。
この土地で、育ったエネルギーを頂いたような感じでした。
完熟したラビットアイ系の味は必ずや人に感動を与えると思い、栽培を続けてきましたが、実ができるまでは不安もありました。
でも今は、早くこの味をたくさんの人たちに食べてもらいたいと思っています。
まとめ
ブルーベリーという作物は、育て方によっては無農薬も十分可能であり、栽培管理そのものは決して難しくないと思います。
家庭果樹としてもおすすめしています。
しかしながら、奥が深い作物でもあり、本当にそのポテンシャルを活かすにはコツが必要です。
潜在能力を発揮させる「ど根性栽培」は、栽培していても本当におもしろく、様々な生き物との関係や日に日に頼りがいがでてくるブルーベリーたちを私が必死に追いかけているような・・・・
育てているというよりは、育ってもらっているというのをとても強く感じています。
労力も経費もかかりません。
よけいな手出しをせずに、辛抱強く見守る、ブルーベリーを信じるのみです・・・
それが「ど根性栽培」なのかと思いました。
引きつづき、楽しんでいきたいと思っています。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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