脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
ブルーベリーの森あづみのでは、ラビットアイ系品種を中心に20種類ほどの品種を育てています(いただいた樹で特定できていない品種も一部あり)。
うちの農園で、育てている品種を少しずつ紹介していきたいと思います。
気候や土の条件によって、人によって印象もかわってくると思いますので、
あくまで一つの事例としてお読みいただければ幸いです。
今回は「メンデイト(メデット)です。
品種を紹介しようと思った理由
実は、いままで、私はブログではブルーベリーの品種をあまり紹介していませんでした。
理由は、単純に私自身が品種のことをあまり、把握しきれていなかったからです。
しかしながら、最近、ご来園いただいた方から品種について、質問されることが増えてきました。
2023年で本格的な収穫を初めて3年目。何シーズンか、栽培~収穫~販売を通じて、
いろいろとわかってきたことがありますので、生産者目線で紹介してみようと思いました。
ラビットアイ系の中生種「メンデイト(メデット)」
メンデイト(メデット)は、1958年に発表された品種なので、なんと60年以上前の品種です。
黒っぽい、どこか野生種のような風貌が印象的で、黒っぽいのは、交配親であるフロリダ系野生種の特徴だと言われています。
実は柔らかく、中粒サイズ。
甘味が強いラビットアイ系の中でも糖度が抜群に高いです。
実が柔らかく潰れやすい、ブルームがほぼ無いという特徴のため、市場出荷では評価が得られにくい品種だったとも言われています。
うちでも、産直販売で発送する場合は、潰れるリスクを避けるため、メンデイトは入れていません。
流通していない、摘み取り園ならではの品種と言えます。
観光農園をやっているところでは、導入している園もけっこうみかけます。
収穫時期は、ラビットアイ系の中では中生種なので、やや遅く、ブルーベリーの森あづみのでは8月下旬~9月下旬であり、オースチンの次くらいに熟してきます。
中盤~後半の主力品種です。
開園当初から、収量は安定して多く、今まで主力として活躍してきた品種の一つです。
メンデイトはとにかく甘い甘い甘い・・・お客さんに人気の品種
摘み取り園にのみ適正がある
メンデイトの味の特徴は、酸味は全く無く、とにかく甘い。
糖度は完熟すると24度程にもなりました。
驚異的な甘さです。
すごく甘いので、ほとんどの場合、お子さんは大好きです。
中には「僕はこの黒いのしか食べない!」と宣言したお子さんもいたくらいです。
ブルームはほとんどなく、黒っぽく光沢のある見た目です。
生鮮食品の業界ではブルームの少ないことを欠点と捉える場合もありますが、
実際にお客さんの反応からは、むしろ特徴があって高評価なことが多い印象をもっています。
スウィーツに使って頂く場合も「黒っぽい方が見栄えがする」と言われたこともあり、評価基準は場面により様々だと感じています。
まん丸の実は果柄のつけ根がみやすいので、完熟の見極めも容易です。
実がかなり柔らかいため、潰れリスクを考えると、観光摘み取り園にのみ適正があると思います。
発送を伴う販売には使用せず、直売所で販売する場合には、ポップに「こういう特徴があります」という書き込みをしました。
メンデイトの欠点
潰れやすい、後半に小粒になりやすい
前述のとおり、実がやわらかいため、基本的には摘み取り園でしか使えないことが欠点と言えるかもしれません。
しかし、流通していないため、逆に、摘み取り園でしか味わえないという希少価値があるとも言えます。
お客さんにも、そのことを伝えると、興味をもっていただくことが多いです。
あと、後半になると、特に小粒が目立つのが欠点かもしれません。
あまりに小粒だと、お客さんにも食べてもらえなかったり、販売もしにくいので、ちょっと扱いにくいことが多いです。
メンデイトの樹形~開帳性~
本などには開帳性の樹形と書かれている場合が多いです。
ただ、同じ開帳性のクライマックスやブルージェムほどは開かない印象です。
細かい枝が少なく、強弱のメリハリのある枝の伸び方をするので、剪定は迷うことが少なく、やりやすいと思っています。
花芽がすごく多いのも特徴です。
ラビットアイ系の品種の場合は1つの枝に20個くらい花芽がつくことも珍しくありませんが、メンデイトは30個以上つくこともあります。
私は、基本的にラビットアイ系は花芽調整をしませんがメンデイトだけは減らしています。
花芽の調整で、後半に極端に小粒になっていくのも少しは軽減できるかもしれません。
メンデイトの評価
観光農園には適正があり、ブルーベリーの森あづみのでは観光農園の主力品種という位置づけです。
特徴がはっきりしているため、少々、スパイスのような役割かもしれません。
引き続き、主力として栽培していきたいと考えています。
※あくまで、うちの農園での一例であり、評価はブルーベリーの森あづみのの事業に適しているか、又は私の個人的な好みによるものです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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