脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
「どの品種がおすすめですか?」というご質問を頂くことがあります。
正直、品種はあんまり詳しくないので、けっこう困ります(笑)
自分のところで育てているのは20品種ちょっとですし、最新品種を随時チェックしているわけでもありません。
最終的には、好みだとも思います。
しかし、ある程度、経済栽培、スタートアップ時という前提であれば、「考え方」はお伝えできるのではないかと思っています。
ブルーベリーに品種の選び方(考え方)について書いてみました。
品種選びは大切な戦略
出典を忘れてしまったのですが、「品種は最大の技術」という言葉があるようです。
正にその通りだと思っていて、品種系統や品種によって全く栽培の難易度が違ってくることが多く、栽培に入る以前にとても大切にしています。
ブルーベリーに限らず、最初に品種を選ぶ時は、私は、難易度の高いものは基本的に選びません。
私は脱サラして新規就農したので、農地も技術も、無く、ほとんど全ての面で不利な条件ばかりでした。
そのため、普通の農業者より失敗の確率が高いのは明らかです。
最初の頃は、いかに失敗の確率を下げるか、ということに注力しました。
コアとなる作物は決して栽培の難易度の高いものは選ばず、丁寧に扱ってその品質を高め、それが確立できたら、少しずつほかの要素もクリアしていく・・・という方針にしました。
ブルーベリーで言えば、樹勢が強く育てやすい品種系統、ラビットアイ系品種のブルーベリーを主としました。
私の栽培の師匠にも助言を頂き、新しい品種よりは、比較的クラシカルな、日本での実績の長い品種をメインとしました。
品種選びは「技術」というか「戦略」に近いような気がします。
ただ、品種というのは誰でもマネができるので、それだけで長期的な独自性を出そうとは全く思っていません。
大切ではあるものの、あくまで手段の一つと考えています。
ブルーベリー販売方法(目的)に合わせて
ブルーベリーの販売方法によって、求められるものは異なってくるかと思います。
大きくは「出荷」なのか「摘み取り園(ブルーベリー狩り)」なのかということです。
具体例としては「メンデイト(メディット)」という品種は、甘味がかなり強く、お子さんにも人気のある品種ですが、実が軟らかく、出荷などにはむきません。
しかし、摘み取り園では、とても人気があります。
産直サイトなどで販売する場合は、熟しても、ある程度の硬さがあり、潰れにくいということがとても大切な要素になります。
実がとれたつけ根のあたりが乾きやすい方が出荷には良いという情報も本などで、みかけますが、私の場合は、当日収穫を直送することがほとんどなので、あまり影響がないように思います。
ただし、出荷に向くものが摘み取り園に向かないということはほとんどないので、
もし、販売方法を迷っているのであれば、出荷にもむくものを選んだ方が無難だと思います。
大粒、多収、甘い、といった項目は、どの目的にもほぼ適合するからです。
ブルーベリーの栽培地域に合わせて
同じ品種でも地域によってその評価が異なるようです。
最近、他県のブルーベリー生産者の方と交流が増えてきて、気が付いたことでした。
長野県の平野部と関東南部では、およそ一カ月ほど、熟期が異なってきます。
梅雨を挟んだり、気温が上がるなど気候が変動する時期でもあり、熟期の気候がかなり異なってきます。
そのため、関東で評価が高い品種が長野県のうちの農園で、必ずしもよくなかったり、その逆も然りでした。
具体例としては、「ブルージェム」という品種は、関東では評価が高いのに、うちの農園では必ずしも、良くないといったことがありました。
ラビットアイ系ブルーベリーで「雨による裂果に注意」という品種の場合、梅雨時期にかかる関東では要注意ですが、梅雨明けに熟期となるうちの農園の場合は、心配しなくて良いということもありました。
地域が違っても気候が比較的近い山梨県北杜市とうちの農園は、ほぼ似たような評価という印象でした。
周辺地域や熟期が近い地域の情報は大切だと思いますので、事前に得ることができれば、おすすめします。
まとめ
経済栽培で私が大切にしているいことは、以下のとおりです。
- 最初は「失敗しにくい品種」を選ぶ(ブルーベリーに限らない、徐々にいろいろチャレンジ)
- ブルーベリーの販売方法にあった品種を選ぶ(出荷にもむくものが無難)
- ブルーベリーを栽培する地域にあったものを選ぶ(なるべく条件が近いところの情報は大切)
前述のとおり、私自身は、多くの品種を栽培した経験があるわけではありませんし、とくにすごく詳しいわけでもないと思います。
しかし、経済栽培として、スタート時の品種を選ぶ考え方は、ビジネスをそれなりに回してきた経験からは、上記のとおりだと考えています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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