脱サラ、元地方公務員、自分のブルーベリー農園を経営しています。かんざきたつや(@ttykanz)、36歳です。
最近野菜ソムリエの資格を取得しました。
農業を目指した理由、脱サラの経緯、やりたい農園のコンセプトなどは、下記のプロフィールページなどをご覧頂けるとうれしいです。
ラビットアイ系品種の魅力
ラビットアイにはまる私
現在、日本で栽培されているブルーベリーの品種の多くは、
「ノーザンハイブッシュ系」と「ラビットアイ系」の二つです。
細かく言えば、やや中間の特徴をもつ「サザンハイブッシュ系」やより寒さに超強い「ローブッシュ系」さらに中間の「ハーフハイブッシュ系」などなど、があります。
ブルーベリー業界(?)では、ノーザンハイブッシュ系の方が食味などの評価が高い場合が多く、
暑さが厳しい、本来なら不適地でもハイブッシュ系を西日本でもがんばって作っているようなケースも多いと思います。
私の住んでいる長野県では、どちらかと言えばノーザンハイブッシュ系の適地ですので、周りでブルーベリーを栽培されている方は、ほぼ9割型ノーザンハイブッシュ系です。
しかし、私は現在、ラビットアイ系を主力に栽培しています。
いろいろ調べたり、食べたり、育てたりしていくなかで、ラビットアイ系の魅力にハマってしまったためです。
ラビットアイ系の魅力
(1)樹勢が超強く、土壌の適応性が幅広い
ノーザンハイブッシュ系に比べて、樹勢が強く、少々土壌の酸度(PH)が最適でなくとも、水はけは大切ですが、多少の粘性土でも、育ってしまいます。
(9月末くらいの頃の写真。シュート(新しい枝)の伸びがすさまじいです。)
(根が制限されるポットでもシュートの伸びがすさまじい・・・)
(2)収量が多い
ノーザンハイブッシュ系に比べて、2~3倍の収量になります。
樹勢が強いため、たくさん実をつけてもびくともしません。
もともとブルーベリーはほとんど隔年結果(栽培管理等により、豊作な時期と不作な年が隔年でできてしまうこと)は問題になりませんが、
たくさん実をならしても隔年結果なども基本的に発生しません。
(3)食味が優れる
ラビットアイ系の方がノーザンハイブッシュ系よりも糖度が高いものが多いです。
ブルーベリーの導入当初は、ラビットアイ系はおいしくないと不評だったそうです。
これは熟期の問題であり、
ノーザンハイブッシュは、青紫色に色づいてくれば概ね美味しいですが、
ラビットアイ系は、色づいてから、数日~一週間くらいで完全に熟します。
ここまでまてば、本来の美味しさが出てきます。
また、ノーザンハイブッシュ系は、熟した実の多くなった樹でも、一定の確率で酸っぱい実を食べてしまうことがありますが、ラビットアイ系は、一つの樹になっている実が概ね熟せば、あまり酸っぱいものがありません。いわゆる「ハズレ」が少ないです。
但し、暑さの厳しい気候に適応しているせいか、皮が厚めの品種が多いです。
人によっては、皮の食感が気になる方もいるかもしれません。
私が働いていた農業法人ではほとんどノーザンハイブッシュだったため、しばらくそれに食べ慣れていたら、
別の農園でラビットアイ系を食べたら少し気になりました。
比較しなければ、気にならないレベルかもしれませんが・・・
デメリットも当然ある
(1)耐寒性に劣る
暑さに強いですが、耐寒性はノーザンハイブッシュ系と比較して劣ります。
凍害を受けて、前シーズンで伸びた新梢が枯れると、その枝につくはずだった実が収穫できないので、収量を減らすことになりますし、成長も遅くなります。
過去に東北地方を中心に行われた、寒冷地におけるラビットアイの生育等の研究結果からは、品種によってはかなり収量を落としています。
私が栽培している場所では、少しぎりぎりの気候なので、防寒対策が必要かもしせませんので要検討です。
(2)小~中粒品種が多い
よくみるブルーベリーや農園のアピールで「500円玉くらいの実」とかあります。
これは、ノーザンハイブッシュ系の大粒品種のチャンドラーなどを摘花などにより、さらに大粒に仕上げている場合が多いと推察されますが、
そうでなくともノーザンハイブッシュ系では大粒になる品種が多く、見栄えします。
逆にラビットアイは小粒~中粒が多いので、見栄えの点では劣ると言えます。
私がいろいろ食べてみた感じでは、
大きさと味はあまり関係がないように思いますが、広告を打つ場合や、出荷などをする場合などは大粒品種は一般受けするので、付加価値があるかもしれません。
まとめ
現時点では、以下のように考えています。
様々な品種を創って幅を広げたいと思いますが、現在はまだまだラビットアイ系にはまり中です。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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