脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
「樹の高さ」をきめるもの、について書いてみました。
樹高を決めるもの
結論から言ってしますと、樹高が落ち着く高さというのは、遺伝的に最初から決まっています。
同じ種の同じ品種であれば、その土地の土壌条件などによっても少しかわります。
林業の業界では「地位」と呼んでいます。
同じ林齢(年齢)で、より樹高が高い場が地位の高い場所という言い方をします(通常Ⅰ~Ⅳにクラス分けします)
カラマツは30m近い樹高になることもありますが、ヒノキの場合は高くても25mいくかいかないかくらいに落ち着きます。
山の樹はもちろんですが、園芸品種でも同様です。
逆に言えば、樹高が落ち着く高さ、樹勢が落ち着く高さより小さく維持することは、ほとんど不可能です。
庭などのせまい面積に樹を植えるときは、数十年後を想定しないと、維持が大変なことになります。
強く切り返せば、植物ホルモンのジベレリンが働いて強く伸びたりすることも多いです。
また、針葉樹は成長点を切ると、明らかに弱るので、庭の生垣になっているイチイなどの剪定が大変だと感じています。
道路などの施設に隣接していても、維持管理が大変になります。
低木は高木より「先進的な植物」
ブルーベリーのようなツツジの仲間などの「低木」は、最近のDNAなどの解析により、より進化した植物であることが明らかになってきています。
低木が成長して高木になるのではなく、高木の中から進化して、高木の下の方でもある程度生きられるようになったのが低木のようです。
高い樹の方が有利になるようにも思いがちですが、そこはいわゆる「レッドオーシャン」。
競争の激しい場所です。
さらに、背が高くなるほど、「乾燥」とも戦わなくてもいけないので、水を吸い上げる力や乾燥に耐える力が必要になります。
高い樹に守られて、ひっそりと、生育することができれば、生存する確率も上がります。
植生が時間とともに変化していくのを「植生遷移」といいます。
降水量などにもよるため、地域によって異なりますが、日本の場合は、基本的に森林になる方向にむかいます。
なお、栽培作物となっている果樹は基本的に、先駆種である低木・陽樹に分類されます。
畑の場合は、少なくとも草原よりすすまないように維持しており、
果樹園の場合は、少なくとも低木・陽樹からすすまないように維持しているとも言えます。
植生遷移を人手やエネルギーをかけてとめている、これらの行為を、農業という支点から見れば、農地の手入れと呼んでいます。
私は、そういう意味で農地は、その農法とかには関係なく、基本的に人工物だと理解しています。
というよりも、人にとって、何らかの「目的」や「役割」をもたせたものというのは、広い意味で人工物だと思っています。
自然の力をお借りしているのは事実ですが、もちろん自然営みそのものではありません。
人為的な部分とそうでない部分のバランスの違いが農法の違いとも言えます。
しかしながら、里山のような、二次的な植生、人間の手が入って、ある意味かく乱された方が生物の多様性が豊になるのも事実であり、生産性が向上し、人間と共存できるケースもあります。
農地のような「耕された生態系」の追求は、人間が自然と共存していくための大きなヒントになるのではないかと考えています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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