無為自然に栽培するために工夫していること vol280

脱サラ農業・起業
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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「ブルーベリーの森あづみのホームページ」をみる。

インスタグラムもやってます。

ブルーベリーの森あづみので育てている作物は、ブルーベリーをはじめ、基本的に強い作物・品種を選んでいます。

そして適地に適した作物を植え、その力を発揮させる環境づくりがに努めています。

それが私のやりたい方向性にもっともあっているのではないかと思っているためです。

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強い作物を選び、自然の力を活かす環境を整える

ブルーベリーの森あづみので育てている作物は、ラビットアイ系品種のブルーベリーがメインです。

ラビットアイ系ブルーベリーは土壌の適応性が高く、樹勢が強く育てやすい系統です。

過保護に育てることはしませんが、適した土壌を徹底して選び、益虫や共生菌などの働きを阻害しないように、無農薬栽培を行うなどの環境づくりを大切にしています。

栽培管理というよりは環境作りや壊さないように配慮することで、その力を発揮してもらう・・・というのが私の栽培の柱となっています。

ブルーベリーは「ど根性栽培」※1 という方法で育てています。

千葉県木更津市の江澤貞雄氏が提唱しているブルーベリーが本来もっている力を発揮させる栽培方法です。

さらに、ブルーベリーだけではなく、グミやクワ、キイチゴなど様々な果樹を育てていますが、こちらも強く育てやすい作物を選び、環境づくりに注力しています。

農業は自然の力の一部を利用させてもらうという点では、自然よりかもしれませんが、

特定の植物のみを多く育てることになるその時点で、自然界とは違い不自然な行為であるといえます。

また、現在は、品種改良で人間が利用しやすい作物に改良してきている結果として、化学肥料や農薬での栽培を前提として、生み出された品種が中心になってきています。

それは、素晴らしいことでもありますが、同時に自然の植物が備えている防御機構などが失われていたり、栄養分が多く必要となるケースもあり、無農薬で育てることが難しくなってきているのかもしれません。

調べてみると、昔から、庭で育てられていたような実の小さな果樹などは育てやすいものが多いことがわかってきました。

(↑ダイオウグミ。二年目にしてこれだけの実をつけました。無農薬無肥料です)

(↑クワです。同じく無農薬無肥料です。2年目にして実がたくさんなりました)

病虫害に強く育てやすいというのは、より自然環境に適合しているともいえます。

そのかわり、実が巨大である、種なしである、流通に適する・・・といった部分は難しいかもしれませんが、摘み取り園でその場で美味しいものもたくさんあります。

「強く育てやすい作物(品種)を選び、適した土地を選び、自然の力を発揮させる環境づくりに努める」というのが私の栽培に対する考え方の根幹となっています。

※1 千葉県木更津市エザワフルーツランドの江澤貞雄氏が提唱するブルーベリーに過干渉せずに本来の力を発揮させる栽培方法。ラビットアイブルーベリーを積極的に導入し、従来常識とされてきた、ピートモスによる植床づくりや灌水などは行わず、ブルーベリーを環境に適応させる。

ルーツは林業の「適地適木」だった

私は元々、森林・林業の技術者でした。

農業には適地適作という言葉がありますが林業にも「適地適木」という考え方があります。

山には、多様な地形や地質・土壌があり、それに合った樹種を選ぶ必要があるためです。

大雑把にいうと、

乾燥する尾根付近にはアカマツ・カラマツ。

湿潤で肥沃な沢地形にはスギ。

その中間点にはヒノキ・・・といったように、通称「尾松谷杉中檜(おまつたにすぎなかひのき)」と言われます。

地形は土壌や水分条件、有機物の堆積などの条件が地形によって全く異なります。

比較的、価格の高いヒノキを無理に尾根付近に植えても、成長が悪く、結局、よい木材に育てることができないという失敗例も少なくありません。

(↑湿潤な環境でスギの生育に適しているため、成長がよい状態です)

(↑ヒノキの生育に適さない、乾燥した尾根に植えているため成長が悪い状態です)

雨量気温や地質・土壌分布というマクロな視点や微小な地形といったミクロな視点を総合的にみて、適地に適木を植えることが大切です。

それは、もともと樹木がもっている性質を活かすことが最も大切であり、密度管理などの保育以外はほぼ自然まかせで育てる林業らしい考え方だと言えます。

自然条件を観察し、植物の力を活かせるように努めるという点で、現在の栽培の考え方につながっていると思います。

農地を探すにあたり、日本ではブルーベリーの栽培に最も適する、水はけのよい「黒ボク土」の分布している地域を中心にさがしていました。

現在の農地は、火山灰の扇状地で、ブルーベリーの力を活かすには最適な環境でした。

安曇野が一望できるロケーションは、観光農園にも適しています。

一方で地下水位は低く、井戸の設置は困難で、水路も近隣にはないため、水を多く使う栽培には適さない場所です。

しかしながら、灌水をしない「ど根性栽培ブルーベリー」には適地だと言えます。

まとめ

栽培技術というと、いかに人間に都合よくコントロールできるか、難しい栽培を達成できるか・・・というイメージがあるかもしれません。

もちろん、そういった技術も素晴らしく、大切なことです。

一方、自分が取り組みたい方向性としては、人為的にコントロールする領域を広めるという最新のテクノロジーとは、ちょっと違っているかもしれませんが、無為自然に作物たちの力を発揮してもらい、作物やまわりの生き物とともに楽しみたいという思いがあります。

そのため、

「強く育てやすい作物(品種)を選び、適した土地を選び、自然の力を発揮させる環境づくりに努める」

という方向性が私はとても気に入っています。

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