ブルーベリー栽培に頻繁な水やりは本当に必要なのか?  vol195

雨の画像 ブルーベリー
Photo by Aaron Burden on Unsplash
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz))です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

かんざきたつやのプロフィールページを見る

「ブルーベリーの森あづみのホームページ」をみる。

ブルーベリーの栽培では、「水やりが大切」と多くの専門書、一般書に書かれています。

しかし、実際に育ててみると、栽培方法(環境)によって、まったく水やりの事情は違ってくることがわかりました。

この記事では「ブルーベリーと水やり」について書いてみました。

※この記事では地植えでの栽培を前提としています。ポット栽培では栽培方法に関わらず水やりを頻繁に行う必要があります。

水やりはしなくても育っている

植えてから一度も水やりをしていないブルーベリー

結論から言えば、私のブルーベリー栽培では水やりをしていなくても育っています。

植え付けのときも含めて、一度も水をやっていません。

長野県安曇野市は夏は気温が35度に達することもあります。

また年間降水量は、900mm程度で、日本の平均の半分以下という雨の少ない地域です。

それでも、ラビットアイ系を中心とした約400本のブルーベリーは育っています。

何故なのでしょうか?

ど根性栽培でど根性ブルーベリーになる

水やりをしないことで「ど根性」植物に?

とりくんでいる栽培方法は「ど根性栽培」という方法です。

千葉県木更津市のエザワフルーツランドの江澤貞雄さんが提唱している栽培方法で、ブルーベリーの潜在能力を発揮させることに特徴があります。

2年前に江澤さんに相談に行き、それ以来、教えていただいています。

ど根性栽培では、水やりは一切やりません

というか、やってはいけないんです。

江澤さんにもことあるごとに「水をやってはいけないよ。」と言われます。

2年生苗を植えつけて、とくに最初の3年くらいの間が大切で、その間に水やりをすると、根が深く、地下から水を吸いあげるように育たないためです。

実際にエザワフルーツランドのブルーベリーは、比較的根が浅いハイブッシュ系品種でも、根が1m程度に深く伸びています。

私も、昨年春に植え付けてから、水やりは一切やっていませんが、それによって枯れたり、葉が萎れて落ちてしまうることもほぼありませんでした。

江澤貞雄さんの著書にある「ブルーベリーは水を好むのではなく、乾燥を嫌う」(ブルーベリーをつくりこなす、江澤貞雄、農文協)という表現が非常に的を得ていると実感しています。

保水はマルチングで

ど根性栽培でも、何もせずに放っておくわけではなく、木材チップを根元に敷き保水します。

これは、一般的にも広く用いられている方法です。

苗が草で覆われて、草の陰になってしまうことも防止できます。

中途半端な厚さでは効果がないので、一株あたり80L、厚さ10~15cmほどを敷きます。

真夏にマルチングの下を触ってみたことがあるのです、マルチングの下はひんやりして、湿り気がり、驚いたことがあります。

(↑木材チップのマルチングの下は真夏でも保湿されており、触るとひんやりします。)

木材チップなどの炭素の比率の高い有機物のマルチングは、ブルーベリーと共生している菌根菌を活性化する効果もあると考えています。

素材によっても変わってきますが、私が使用しているチップはだいたい1年間に20%くらい体積が減っているので、一年に一株あたり20L程度は補充する必要があります。

減り具合は均一ではないため、状況をみながら加減しているほか、草刈りのときに刈草なども重ねたりしています。

木材チップなどを全面に敷く人もいますが、私は周辺の草の効用を活かしたいため、全面には用いていません。

ブルーベリーやツツジ科の植物の生育環境

ブルーベリーの原産は北アメリカで、明るいマツ林の林床などに生育している低木が原種です。

一般にマツの仲間は先駆種(パイオニア種)と呼ばれ、森林が作られていく過程で、最初に侵入してくる高木です。

(↑崩壊地に侵入しているアカマツ。アカマツが土の流出をとめ、土壌が堆積していきます。)

マツの林の中では、弱めの光でも育つ低木が育ち、落葉などでだんだんと土が肥えてくると、極相種とよばれる、陰樹系のブナやカシなどが侵入します。

ブルーベリーをはじめ、ツツジの仲間は、先駆種と同時期に生えてくる低木です。

多くが乾燥気味な過酷な条件ですが、マツ林の林床で、落ち葉などの有機物でマルチングされながら、育っていきます。

だんだんと極相種が育ってくると、マツもツツジの仲間も衰退してしまうのですが、尾根筋など乾燥する場所には見られることが多いです。

マツもツツジも過酷な条件で生きられるように、根に菌根菌を共生させて、水や栄養分を調達する能力をもっています。

これらの菌根菌は、頻繁な水やりにより、減少することが知られています。過酷な条件でこそ活発になるようです。

(↑カラマツなどの林床に生育するツツジ科の低木)

もちろん、ブルーベリーは栽培作物として品種改良されてきているという点は考慮する必要がありますが、

野菜なども含めて栽培作物は原種の植物の性質を強く残していることが多いと感じています。

水やりが不要になる意味

水やりが不要になるということは、

水やりにかかる設備が不要となり、水やりの労働力が不要になるということです。

これは、コストの面でも非常に大きいと思います。

灌水の設備、とくに自動灌水の設備は費用がかかります。

ホースなどによる灌水は、非常に労力がかかります。

大規模な自動灌水装置を設置しても、破損による漏水やチューブの目詰まりがあったりとけっこうまめにチェックする必要があります。

以前働いていた農業法人で両方とも経験し、身に染みているため、ありがたさを実感します。

環境に耐えられる能力が一度育てば、継続されるため、長期間にわたり、このメリットは効いてくると思います。

まとめ

2年前に江澤さんに相談に行った際に、「帰りに馬来田(まくた)駅のブルーベリーを見てごらん」と言われました。

馬来田駅はエザワフルーツランドの最寄駅で、そこにはブルーベリーの産地をアピールするためにラビットアイ系ブルーベリーが十数本植えてあります。

駅構内の乾燥しやすい場所。

山で言えば尾根筋のような場所です。

そんな場所で水やりをしなくても育っていました。

これを見ると、水やりをしなくても育つことを納得する人が多いそうです。確かに・・・!

(↑馬来田駅の構内に育つラビットアイ系ブルーベリー)

やり方を教えるマニュアル的な情報はいくらでも手に入りますが、実際に育ててみると、植物の育ち方は、環境により全く違うことがわかります。

あまり偏見をもたずに、植物をよくみながら、環境のもつ意味をよく考えて、育つ手助けしていくことが大切だと思います。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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